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サリーのきもち。

29歳独女サラリーマンの、日々のうんぬん。

優等生っていう劣等感。

サリーは、小中学校までは、成績がよかった。

作文は、いつも区で入選していたし、

理科の実験をまとめたレポートも、

書き初め大会も、いつも賞をもらっていた。

合唱コンクールでは、伴奏者としてクラスの練習を仕切り、

学級委員として、先生からも好かれていた。

 

 

そんなわたしは、いつも劣等感を抱えていた。

 

同級生から、人気を得るために必要なことは、そういうことではなかった。

 

 

 

小学校の高学年の頃、いちばん仲の良い女の子がいた。

けいちゃんといった。

 

けいちゃんは、いつも変顔をしてみんなを笑わせ、

友達思いで、豪快で、成績は悪く、運動神経がよくて、

クラスで一番の人気者だった。

 

対して私は、ザ・A型と言わんばかりに神経質で細かく、
勉強はできても足が遅くて、
変顔なんて恥ずかしくてできなくて、
自分のことを、つまらない人間だと思っていた。

 

けいちゃんには、友達がいっぱいいた。

私は、けいちゃんと家も近く、いつも一緒に遊んでいたけれど、
「一番の仲良し」のポジションでいられているかは、いつも不安だった。

けいちゃんは、さっぱりとしていて、誰にも執着がなさそうだった。

 

社会科見学等の、バスの席決めの時は、
けいちゃんがとられてしまいやしないかと、いつも不安でいっぱいだった。

私は、けいちゃんの隣を死守するべく、通学路が一緒である利を活かし、
決して必死さを見せないような声色で、早々と約束を取り付けた。

けいちゃんは、誰でもよさそうだった。だから、すぐにOKをもらえた。

 

その後、何人もの女の子が、「けいちゃん隣の席になろう」と誘っているのを見かけては、
胸をなでおろし、少しの優越感を感じた。

 

その後、学年が変わるにつれて、
けいちゃんの周りには、けいちゃんと似たタイプの子たちが増えてきた。
変顔が好きで、豪快で、成績が悪い子たち。
私はそのコミュニティに居ながら、いつも劣等感を感じていた。
むりやり変顔して、自分も同じ種類でいるよう装った。

 

私はそうして、中学まで、
いつも誰かを羨み、自分に自信が持てずに、
縮こまって、心地わるく過ごしていた。

高校生になってからは、けいちゃんも含めて、まったく会わなくなってしまった。

 

 

月日は過ぎ、中学を卒業してから13年後。

 

久しぶりに、同窓会が行われた。

小中一緒だった地元の子達が、30人ほど集まった。

 

お酒も進んだころ、何人かの女の子と話した。
当時、羨ましかった、
ちょっと成績が悪くて、みんなに好かれていた女の子たち。

 

すると、口々に言われた。

 

「さっちゃんは、なんでもできて羨ましかった」

「さっちゃんには、何をしても敵わなかった」

 

 

 

当時、

勉強ができることなんて、なんならダサいことだと思っていた。

友達に好かれるには、すこし成績が悪いくらいのほうが、

とっつきやすくて、いいんだと思っていた。

 

でも、29歳になって、私が当時劣等感を感じていた子たちから、そう言われたときに、

ああ、あながちお世辞じゃなくて、
ほんとうに思っていたことを、言ってくれているかもしれないと思った。

 

あの、小さい小さい、学校という世界で。

あのころの私たちにとっては、あれがすべて、そんな世界で。

大人たちが求めるのは、勉強すること。

賞をもらったり、注目を浴びるのは、成績がいい子ども。

 

いくら、斜に構えていても、

みんなにとって、そういう存在は、羨ましかったのかもしれない。

アテンションを得るということを、求めていたのかもしれない。

それぞれに、劣等感を、持っていたのかもしれない。

 

 

私は、みんなが羨ましかった。

 

学校って、そういうところなのかもしれないな。

誰かから、認められることに必死で。

褒められたくて。

どう思われているかに怯えて。

自分に対しての、理想も強くて。

 

 

ふむ。

いつか子どもが生まれたら、活かそう。この教訓を。