グラフィックファシリテーションを体験してみた。
会議における「板書」の存在
板書って、誰がやっていますか?
7年くらい社会人やってきましたが、たいていは
「下っ端」か、「気が利く人」がやっている印象。
私は、その会議への意欲が高いときは、
下っ端ぶったり、気が利く人ぶったりして
よくホワイトボードのペンを持つ。
でも、目的は、いいやつぶりたいわけではない。
その会議を、自分の思うままに仕切りたいだけである。
板書の力はすごい。
みんながそこに着目し、そこの表現に引っ張られる。
どの発言をピックアップして書くか。
何は書かないか。
何を大きく書くか、色をつけるか。
結論を操作する板書は、ある意味簡単だ。
極端に言えば、自分の発言をこっそり大きく書けばいい。
でも、会社やメンバーへの愛着が深いほど、
そうじゃなくて、
もっとみんなに納得感があって、
浸透率の高い合意形成に繋がって、
はたまた新しい何かが生まれて、
そんなフォローアップをする板書ができるようになりたいなぁと
ぼんやり、しかし常々、思ってきた。
グラフィックファシリテーション体験会に行ってみた。
グラフィックファシリテーションってご存知ですか?
略して「グラファシ」というらしい。
その名の通り、グラフィックで、ファシリテートするわけである。
モノのイメージは、こんなかんじ。
私の板書活動のヒントになる気がして、その体験会に、行ってみた。
(絵は描けないのに。)
講師はこの方。
しごと総合研究所の代表取締役、山田夏子さん。
会場に入り、目があったその人に、
「ああ、敵を作らない人だ」と思った。
どんな人をも怖がらせない、初対面ですっと入ってくる感じ。
すてきな空気感です、山田夏子さん。
会の中で「ははーんなるほど・・・」と思ったポイントみっつ
1、深い合意形成のためには、3つの現実レベルを共有する必要があること。
2、グラファシは、「すべての声に光をあてる」行為。
3、紙面の量が、議論量のコントロールに繋がること。
1、深い合意形成のためには、3つの現実レベルを共有する必要があること。
※きたないメモ書きでごめんなさい
人にとっての「現実レベル」には3つの段階がある。
一番上は、「合意的現実レベル」。事実とか、数字とか。
2段階目は「ドリーミングレベル」。言葉にできる、感情とか、価値観とか。
3段階目は「エッセンスレベル」。言葉にできない、雰囲気とか、イメージとか。
※上記はアーノルド・ミンデル博士が提唱したモデルとのこと。
この3つを行ったり来たりして、すべてを共有することが、
より深い合意形成をするポイントらしい。
でも、例えば議事録は、一番上しか語られないので
(〇〇さんはこの発言を、ひどく残念そうに言った。とか議事録には書かない)、
深い理解には至らないのだそう。
なので、山田さんのグラファシは、
ドリーミング&エッセンスの要素を盛り込むことを重視している。
たとえば、このグラフィックは
全体的に、どんよりムード。
自分たちが、後ろ向きな話題ばかりしていることとか、
みんなが不満を抱えていることを、グラフィックで自覚・共有できる。
テキスト情報って、その「雰囲気」を見える化することはできないから、
メールのやりとりとか、LINEのやりとりは、誤解が生まれやすかったりする。
2、グラファシは、「すべての声に光をあてる」行為。
グラファシをする際は、すべての発言を描くらしい。
そうすることで、「声の小さい人」「マイノリティの人」が
黙殺されることを防ぎ、全員での合意形成を目指す。
チームビルディングを本業とされる、山田さんらしいアプローチ。
これは、「びくーーーーっっ」って感じでした。
私は板書によって黙殺してきたので。。。
でも、テキスト情報は、暗に何かの存在をなくすことに繋がりやすいらしい。
たとえば、「会議に居た人は、ほとんど都内在住の人でした」と、
「会議には、都内在住の人と、遠方からも数名来てくれました」では、
同じ事実だけど、まったく違うイメージになる。
「絵」の方が、全体を公平に描くことに向いている表現方法だそう。
3、紙面の量が、議論量のコントロールに繋がること。
山田さんの流派は、「グラファシをする人は絵を描くことに徹し、なるべく口出しをしない」スタンスだそうなのだが、
色々な要素が、暗に上手にコントロールとして働くことがある。
面白いのが、紙の量。
今回、参加者数名で、「会議について」をテーマに話をして、
山田さんが実演としてグラファシしてくださったのが、この画像。
4枚の模造紙が、左からどんどん埋まっていくのだけど、
「残りの紙がこのくらいしかない」って見えてくると、
おのずと、私たちは結論を出そうとする。
また、前半が暗い色(負の話)が続いてくると、
自然と、未来に向けた話や、よい面をフォーカスした話も増えてくる。
右に行くほど、明るい色が増えていく。
これは、誰かに「そろそろ結論を出しましょう、時間がないから」と言われるよりも、
ずっと、自然発生的な主体性をもって、場が動いてくる事象。
だれも嫌な気持ちにならないし、誰かに誘導されている感じもしない。
「絵」とか「紙」とか、人格のないツールが誘導することで、
すごく、場の雰囲気が柔和になる。
まとめ
他にも学びはたくさんありましたが、全部書くとネタバレになりすぎるので、
興味のある方は、ぜひググってみてくださいな。
とりあえず、すぐ使えそうなアイコンとか似顔絵を
描けるようになりたい。なる。うん(._.)
***
(後述)
おかげさまでこの記事を多くの方に読んで頂けて、
感じたことをこちらに書きました。よろしければ、ぜひ。