満島ひかり、アン・ハサウェイ、大竹しのぶの共通点。
カルテット第3話の満島ひかり、上手かったなぁ。
松田龍平の布団の中へ、ペットボトル1本分の距離までもぐりこみ、
首を振り続けた彼女の可愛らしさたるや。
さて、今日は彼女をはじめとして、
3人の女優さんの名演を、ご紹介したいです。
名演。
名演と言っても、今日ご紹介したいのは、
「歌」の名演です。
私は、女優さんが唄う、歌が好きだ。
役に入りきって、話すように歌う。
まず、話すように唄う、代表格。
「ミルク32」満島ひかり 作詞作曲:中島みゆき 歌縁 東京公演
単調なメロディなのに、まったく飽きさせないこの作品は、
歌というより、ひとつの童話を見ているような感覚に陥る。
「ねえ ミルク」と語りかけ続ける彼女は、いじらしい。
雨がしとしとと降る、じっとりとした空気の中
小道の裏にある、ヴィンテージ調で、静かな、薄暗い喫茶店。
そんな景色が浮かんでくる。
とにかく、満島ひかりが、キュートで色っぽい。
彼女には、こういう、昭和の悲哀がよく似合う。
たまらんである。
次はこちら。
Les Misérables (2012) 720p mkv I Dreamed a Dream Fantine†§(with subtitles)
ブロードウェイミュージカルを
をひたすらいっぱい観たいがために、
1人でN.Y.に行くくらい、
ミュージカル大好きっ子サリーは、
中でも、レ・ミゼラブルという作品が好きだ。
音楽が素晴らしい。
2012年に公開された、映画版も、素晴らしかった。
特筆すべきは、アン・ハサウェイの「I Dreamed a Dream」の歌唱シーン。
この曲は、スーザン・ボイルが歌って、日本でも有名になりましたね。
このシーンは、1曲まるまる長回しで、彼女のどアップが映り続ける。
そこに映る、唄う彼女は、
音楽として成立すること(音を外さないとか、リズムに乗せるだとか)を一切考えず、
役が乗り移り、気持ちを暴発しているだけのようでいて、
実際には、完璧に音もとれている。超人の成す業である。
映画館の大型スクリーンから溢れる、
アン・ハサウェイの本気度、に、
涙が止まらなかった。
目を離しちゃいけないと思った。
歴史的瞬間だと思った。
これを観るまでは、「プラダを着た悪魔」等の
キュート&ファンシー系の一面しか知らず、
パーツが派手すぎる彼女の顔も好きではなかった。
しかし、、、すごい演者さんです。
ご覧いただければ、わかるかと。
最後がこれ。
先日の、紅白歌合戦。
個人的MVPの、大竹しのぶが唄う「愛の讃歌」。
まず、私はこの歌を翻訳した、岩谷時子が好きだ。
越路吹雪のマネージャー 兼 作詞家 兼 翻訳家。
前述したミュージカル「レ・ミゼラブル」の翻訳も手がけるなど、
日本ミュージカルの立役者でもある。
ちなみに、愛の讃歌の歌詞については、wikiにこんなことが載っている。
オリジナルの詞にとらわれず独自の解釈で詞を当てることもある。例としては、エディット・ピアフが歌った『愛の讃歌』は元の歌詞が「愛のためなら盗みでもなんでもする」という背徳的な内容であるのに対し、時子訳詞では一途な愛を貫くという讃歌になっている。
一途な愛を貫くという歌詞になっている、時子さん版の「愛の讃歌」。
大竹しのぶは、平たく言えば、憑りつかれたように、唄う。
単調なメロディーに乗る、一言一言を、強く噛みしめるように、
口をゆがめ、凄んで、唄う。
でもそこには、あの歌詞にある「一途」さへの、リアリティがある。
ステージに立つ彼女は、本当に、心から、「あなた」を信じ、愛し、捧げている。
大黒摩季の「あなただけ見つめてる」とは、雲泥の違いなんだよなぁ。
一緒に紅白を見ていた、母が言った。
「大竹しのぶさん、エディット・ピアフの舞台やるにあたって
発声の練習すごくしたのね。
今までもすごい女優さんだったけど、歌はここまで歌えなかったわよ」
あの年で(いくつか知らないけど)、新しい技術を一から習得して、
いい作品作りに対して妥協しないそのプロ根性たるやすごいなぁ。
以上、3女優の名演でした。
しーゆー。