最も好きじゃないけど最も得意なことに人生を注ぐのってすこし勇気がいるよ。
私は、任天堂の故・岩田さんという方を、あまり詳しくは知らない。
でも、部分部分、伝え聞く話は、非常に興味深いことが多い。
何より、純粋そうな気がして。
まだ遠い存在だけど、好きになれそうな気がしている人である。
なるほど、と思った話に、こんな話がある。
岩田氏:
要するに,「自分の好きなことと嫌いなこと――もっと言えば,自分がやりたいこととやりたくないこと――を,自分が得意なことと得意じゃないこととイコールだ」と思い込んでる人が多いです。本当は,それってかなりズレてるのに。
川上氏:
ああ,ズレてますよね。
岩田氏:
好きじゃないけど得意なこともありますし,好きだけど,実はあんまり得意じゃないよっていうことも結構あって。だから,仕事というのは「得意なこと」をやった方がいいんです。好きだけど得意じゃないことに溺れると,仕事っておかしくなることが多いんです。
4Gamer:
好きだけど得意じゃないこと,ですか。でも,自分でそれを見分けるにはどうすればいいんだろう。
岩田氏:
自分の労力の割に周りの人がすごくありがたがってくれたり,喜んでくれたりすることってあるじゃないですか。要するにね,「それがその人の得意な仕事なんだ」って話で。逆に,自分的にはすごい努力して,達成感もたっぷりあるのに,周りからは「はあ?」みたいに思われることもあって。それはね,本人が好きだったとしても,実は不得意なことかもしれないんですよ。
ほかのところでも、同じようなことを仰っていた。
ソースが見つけられなかったのだが、その要旨はこんな感じだったと思う。
・日本は、「努力!」「根性!」を賞賛するきらいが強い
・そのため、得意じゃないことも含めて、頑張れば褒められる
・だから、頑張っちゃう人が多い
・でもそれって、必要なことなの?
それよりも、人より頑張らなくても、結果が出ることを突き詰めていったほうが、
周りも喜ぶし、人の役に立てて自分も嬉しいのではないか。
私にとっての「人より頑張らなくても結果が出ること」は、なぜか、「司会業」である。
BtoB向けセミナーのように、ちょっとおカタメな司会とか、
エンタメ性強い百人規模の忘年会での、女子アナ的立ち位置の司会とか。
様々な職種の中で、発生ベースで抜擢され、ちょこちょこ、やってきた。
司会業は、それ一本の仕事にしたいほど、
一番やりたいこと、ではない。
でも、「かけるエネルギー」対「周囲の評価」、でいうと、
圧倒的に省エネで高評価がついてくる。
簡単にいうと、向いているようなのだ。
転職する気もないけれど、
たまぁに、気になる。
やりたいことなら山程ある。
今やれていることに、満足もしているし、
身ひとつなのだから、こんなもんだろうとも思っている。
身ひとつなのだから。
取捨選択がむつかしい。
人生一度きりと思って、極限の選択を重ねるのだけれど、
「次の人生に持ち越そう。」と、
完成された人生を追い求めすぎない余白も、
最近は必要だなと感じます。
そろそろ30歳。やれることが増えてきて、面白い反面、
捨てる選択をするシーンも増えてきたおとしごろ。
司会はいつできるかしら。この人生か、次の人生か。はたまた。