同じ作品に、数年おきに相対すると、自分の前進(または後退)位置を計測できる。〈ジブリを例にいってみます〉
小学生ぶりに会った友人にすらも、言われる。
「さっちゃん、変わってないね」と。
うん、おかげさまで見た目も大きく変わっていないし、
本質的な部分も変わっていないと自分でも思う。
それでも、
「あぁ、自分はなんて変わったんだろう」って感じられる
行為がある。
私はこの行為がお気に入りだ。
自分の成長や劣化を、まざまざと感じることができるから。
それは、
幼い時に観た映画を、いまもう一度観てみること。
幼いころ、それはもう何度も何度も観た。
ケース1 天空の城ラピュタのばあい
〈幼いころの感想〉
- 「飛行石」「空の上にお城があること」等のファンタジーにワクワクする、
ロマンを感じる。飛行石ほしいって思う。あの石のデザインもすき。
- 目玉焼きonトーストがひたすら美味しそう。
- シータと、あの手足長くてピカーンって目から発射するあいつの
追いかけっこシーンがたまらなく怖い。
- そもそもあの手足長いやつらの見かけが気持ち悪い。
- シータとパズーの淡い恋模様には何も感じていない。
ていうか恋愛とかいう目で見ていない。相棒。友だち。
- 脇役にあまり思いを馳せていない。
〈大人になってからの感想〉
- 第一に、シータとパズーのいちゃいちゃ感がはずかしくて見ていられない
(ラピュタにたどり着き、崖っぷちでシータをぶんぶんまわすパズー、
あははははっとふたりの世界、
ドサっとなって腕枕状態のふたり。なんやねん。なんやねん。)
- ドーラおばさん、ほんといい人。
- 人がゴミのようだ!で落ちていく人数分、人が死んでいるという事実
この映画めっちゃ人死んでる
ケース2 風の谷のナウシカのばあい
〈幼いころの感想〉
- トルメキア軍とかペジテがどうとか、ほぼ理解していないし
あまり気になっていない。
- 腐海の森の下の空洞がロマンチック。パリンって壊れる砂と、チコの実。
長靴いっぱい食べたいや!
- 巨神兵は怖いし絵が気持ち悪い。
- メーヴェと蟲笛ほしい。
- ナウシカの献身だけはなんかわかってラストは泣く。
- ユパ様は風の谷の人だと思っている。
そのためアスベルと去っていくラストシーンは「?」だけど
あまり深く考えていない。
- クシャナの「我が夫となる者はさらにおぞましきものを見るだろう」の
意味がわかっていない。きゃっ
〈大人になってからの感想〉
- やたらおじいちゃんおばあちゃん多くない?
風の谷は高齢化社会なの??
- ユパ様最強説。それ以上にナウシカ最強説。
お父さん殺された時、瞬時に大の大人を何人も殺していることに驚愕。
- トルメキア軍の人質になったナウシカ達が飛行中、
襲撃にあって3〜4艦の飛行船が墜落。
などなど、この映画もまたよう人が死んでいる。
- 墜落しそうなおじいちゃんたちに、荷を捨てろの指示をするため、
エンジンを切り、マスクをとり、笑顔を向けるナウシカの
リーダーとしての器やばい。
- でも最後のシーンで金の海原を歩くとき、
目が覚めてまず気にするのって、必死で守ろうとした風の谷のみんなの安否じゃないの??
- でもいいの。何度も言いたいけどナウシカは色んな意味で超人。
- 風の谷仕様の青いワンピース時、途中までナマ足に見えてソワる。
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上記は、〈幼いころ〉 と 〈大人になってから〉 が
あまりに間が空いているので極端な例だけど、
「まったく同じ作品」に、経年で相対すると、
自分の反応に変化があって、すごく面白い。
わからなかったことが、わかるようになったり。
印象に残るポイントが、ガラッと変わったり。
気にならなかったことに、疑問を持つようになったり。
だから、新しく観る作品ばかり選ぶのではなく、
たまには、前に観たことのある作品を、手に取るようにしている。
自分が変わったことを感じるのは、
なんだか、まいにちを生きている証のようで、前向きになる。